トレーニングと実務のギャップ

十分なトレーニングを積んで実務に耐えられるような技術を身につけたエンジニアは未経験からスタートしても活躍できるだろうと期待に胸を膨らませていることだろう。付け焼き刃の知識だけ付けたエンジニアの場合には実務ができるかどうかという不安を持ちがちになるが、十分に実践的なトレーニングを積んで周到な準備をしてから転職を決めていると、未経験であっても即戦力になれると考えることは可能です。

しかし、実力的に実務に耐えられる能力を持っていたとしても、現場で気づくギャップに苛まれることになる可能性はある。トレーニングと実務の間にある大きなギャップに気づいて考え方を抜本的に切り替えなければならないだろう。

通常、技術面でトレーニングを積むときには理想形になっている。特に不確定要素がない状況が想定されているため、ユーザーが想定外の使い方をすることを考慮する必要はないのだ。だが現実はそうではない。そのためユーザーが正しく使ってくれることを前提としてプログラムを組んだり、ハードに実装したりすることができる能力だけでなく、もう一歩踏み込んだ能力が必要なことに気づくことだろう。

想定外のことが起こっても正常動作するように設計しなければ市場に出せる製品にはならない。現実に利用できるシステムを作り上げるためにはトレーニングとは大きな差があり、想定されていなかったトラブルにも対応できるようにする努力が必要になるのだ。